足関節

足関節可動域制限~関節の動きから見る制限因子~

背屈制限

臨床において、どんな疾患においても、足首が硬いや足関節の背屈が全然ないってことを感じたことがあるのではないでしょうか?

足部は、骨がいっぱいあってよくわからない、ストレッチするけど可動域が変わらないということを思ってる人も多いかと思います。

そこで今回は、足関節背屈可動域制限を改善させるための、評価・治療ポイントをまとめていきます。

 足関節背屈の運動学

足関節背屈の正常可動域は、20°とされています。

主な動作として、歩行では10°、ランニングでは30°必要ともいわれています。

 

基本的には、足関節の背屈動作は、距腿関節の動きです。

距腿関節は、脛骨・腓骨からなる関節面と距骨から構成される蝶番関節です。

 

距腿関節の運動軸は、内果と外果を結んだ線となります。

外果は、内果より下方、さらに後方に位置するため、

運動軸も内果から見て後方・下方へ向かっています。

 

この運動軸に対して距腿関節が動くため、

足関節背屈時に

距骨は背屈+軽度外反方向へ動きます。

 

 

非荷重下での足関節背屈

距腿関節が正常に動かなければ、足関節の背屈も正常に動くことはできません。

そのため、非荷重位では、距腿関節が正しく動くかを見る必要があります。

 

足関節の背屈では、

 

距腿関節が正しく動くための関節運動としては、

 

距骨が脛骨・腓骨からなる関節面に対し、後方に滑るように動くこと

 

がとても重要になってきます。

 

この動きが阻害されると、足関節の背屈可動域は制限されます。

 

距骨の後方滑り

 

 

距腿関節は、脛骨と腓骨で構成された関節面と距骨からなる関節です。

そこで、距骨の動き以外に足関節背屈時に動くのが

 

腓骨

 

です。

 

足関節背屈時に腓骨は、上方・後方に動きます。

 

腓骨が上方・後方に動くことで関節面が広がり、距骨がはまり込むように動きます。

この動きが制限された場合でも、足関節の背屈は制限されます。

荷重下での足関節背屈

荷重下においては、荷重がはじめにかかる場所が踵骨です。

踵骨の動きが上方と下方のそれぞれの関節に伝わり、機能的な背屈動作が起こります。

そのため、荷重下においては、距骨下関節の運動が大きく足関節の背屈に影響されてきます。

 

下記に踵骨の動きに伴う、それぞれの関節の動きをまとめます。

上行性連鎖(上へと伝わる力)

足関節 運動連鎖

 

下降性連鎖(下へと伝わる力)

足部 運動連鎖

 

上行性の連鎖が起こることで

距腿関節の関節面が一致し、正常の背屈動作が起こります。

 

下降性の連鎖が起こることで、

荷重時の適度なアーチの低下がみられ、機能的な背屈運動がみられます。

 

これらのどこかの関節運動が阻害されても、機能的な背屈運動は、できないため、それぞれの関節の評価が必要です。

 

足関節背屈制限の評価ポイント

人は、基本的に立位・歩行など足関節が地面について、荷重がかかっている状態で生活しています。

そのため、足関節の可動域が制限されて、動作に影響している場合は、荷重下の足関節背屈が正しく行われるように治療していかなければなりません。

 

上記の足関節の関節の動きをみて、わかるように

足関節の背屈運動は、踵骨から運動が開始します。

 

そのため、

足関節背屈制限を評価・治療していく上で優先してみる順番は、

①距骨下関節・距腿関節

     ↓

②下腿・ショパール関節

     ↓

③第一リスフラン関節 

 

では、それぞれの関節の評価方法をまとめていきましょう。

距腿関節・距骨下関節

  • 距腿関節

まずは、距腿関節。

この関節が正しく動かないと、背屈運動はおきません。

評価ポイント

距腿関節を中間位の状態で足関節を背屈させ、

距骨の後方滑りがみられるか

を評価。

 

制限がある場合は、距骨の後方滑りが阻害されている可能性が推測されます。

 

距骨の後方滑りを阻害する因子としては、

 

アキレス腱の柔軟性低下、長母指屈筋の柔軟性低下、距腿関節後方組織の短縮など

 

が考えられます。

 

  • 距骨下関節

距骨下関節の動きは、

荷重下で足部や距腿関節へと大きく影響するため、必ず評価する必要があります。

 

荷重下において距骨の回内が起こることで、足関節背屈と適度なアーチの低下がみられます。

そのため、距骨下関節の評価ポイントは、

評価ポイント

踵骨の回内可動域があるかを評価。

 

踵骨の回内制限は、荷重下での背屈制限因子となります。

踵骨の回内が制限される因子としては、

 

屈筋支帯の柔軟性低下など

 

が考えられます。

下腿・ショパール関節

  • 下腿

下腿は、荷重時に距骨下関節の動きに合わせて内旋します。

臨床では、下腿は内旋が制限され、外旋位となっている人は、多いです。

 

さらに、足関節背屈時は、腓骨の動きを伴います。

背屈時に腓骨は、上方・後方へ動きます。

 

そのため、

評価ポイント

下腿の内旋可動域、腓骨の上方・後方可動性の評価。

 

下腿の内外旋の評価方法としては、

立位にて膝蓋骨と脛骨粗面の位置関係で下腿の回旋を評価します。

脛骨粗面が膝蓋骨幅の外側にあれば、下腿が外旋しているため、内旋可動域が制限されています。

 

下腿の内旋可動域が制限される因子としては、

 

膝の外旋筋である腸脛靭帯や大腿二頭筋の柔軟性低下、

腓骨に起始部を持つ、腓骨筋、長母指屈筋の柔軟性低下、

内側ハムストリングスの機能低下

 

が考えられます。

 

また、腓骨の可動性の低下の因子しては、

 

腓骨筋、腓腹筋外側頭の柔軟性低下

 

が考えられます。

 

  • ショパール関節

荷重時では、適度な内側縦アーチの低下が起こります。

内側縦アーチが低下するために、外返しの可動性は重要です。

 

そのため、

評価ポイント

外返しの可動性を評価。

 

また、ショパール関節は前足部の柔軟性と大きく関連します。

ショパール関節の外返し→前足部の柔軟性が増加

ショパール関節の内返し→前足部の剛性が高まる

 

ショパール関節の外返しは、前足部の柔軟性を増加させるため、

不整地など不安定な地面でも適応できるようになります。

 

第一リスフラン関節

荷重時の適度な内側縦アーチの降下には、第一リスフラン関節の背屈が必要です。

 

そのため、

評価ポイント

第一リスフラン関節の背屈の可動性を評価。

歩行においては、第一リスフラン関節は立脚中期までの5°必要とされています。

 

第一リスフラン関節の背屈制限因子としては、

長趾屈筋、長母指屈筋、足底腱膜の柔軟性低下

が考えられます。

 

まとめ

今回は、足関節背屈可動域制限を改善するための評価ポイントについて説明しました。

 

足関節背屈動作において大切なのは、

 

①距腿関節、距骨下関節の可動性の確保

②下腿、ショパール関節、第一リスフラン関節の可動性確保

 

第一に距腿関節、距骨下関節の可動性が必ず必要です。

その後、他の関節を詳しく評価していく必要があります。

 

足関節の背屈制限に対して、治療する際は、この順番で行ってみてください。

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