患者との関わり方

『話を聞くこと』が患者との最大のコミュニケーション

サムネ

病院で働いていると、

『患者さんとのコミュニケーションがうまくいかないな~』

こんなことを感じることないですか?

 

このように感じるのは、

・患者さんがセラピストの言っていることを聞いてくれない。

・患者さんに怒られた、怒鳴られた。

・患者さんからクレームがあった。

このようなことがあった、もしくは、経験したときです。

みなさんもこのようなことがあって、悩んでるのではないでしょうか?

 

患者さんが言うことを聞いてくれなかったり、怒鳴られたりする場合、

セラピスト側にも問題があり、必ずできていないことが1つあります。

それが、

患者さんの話を最後まで聞いていなかったということです。

患者さんの話を最後まで聞かなかったことで、

患者さんとセラピストの考えに差が生まれ、患者さんは要望を受け入れてもらえなかったことに不満を持ち、怒鳴るなどの行動として現れているのです。

 

つまり、患者さんとのコミュニケーションをうまくとるには、

患者さんの話を最後まで聞くことが大切なんです。

 

私も患者さんの話を聞かず、自分の主張ばかり押し付けて、

怒鳴られたり、クレームが入ったりした経験があります。

 

そんな経験を踏まえながら、

本記事は、

  • 話を聞くことの心理的効果
  • 話を聞くを実践するときの注意点
  • さらにコミュニケーションを円滑に進めるワンポイントアドバイス

この3つのテーマについて伝えていきます。

 

この内容は、明日から誰でも実践可能な内容です。

最後まで読むことで、今よりも患者さんとのコミュニケーションを円滑に進め、治療をより効果的に進めることできるようになります。

 

話を聞くことの心理的効果

話を聞くことで与えられる一番の心理的効果は、

精神的な安全の欲求を満たすことができることです。

 

人間の欲求を表すものとして『マズローの欲求五段階説』があります。

人間の欲求は五段階あり、「生理的欲求」→「安全の欲求」→「所属と愛の欲求」→「承認欲求」→「自己実現の欲求」の順番に欲求が満たされ、人間は絶えず成長していくという考えです。

この中の2番目の欲求である「安全の欲求」には、

身体的な安全 と 精神的な安全の2種類があります。

私たちは、話を聞いてくれる人を味方であると感じ、精神的な安全を確保することができます。

つまり、

話を聞くことは、この精神的な安全の欲求を満たしてくれます。

 

実際の自分の経験を振り返って

「何か不安なことがあったときに誰かに話を聞いてもらったことで、気持ちが落ち着いた」

という経験があるはずです。

この「話を聞いてもらって、落ち着くということ」が、精神的な安全の欲求が満たされたということです。

患者さんの気持ちも、これと一緒です。

 

患者さんの話を聞くことで、

患者さんは、この人は自分の話を聞いてくれる味方であると感じ、精神的な安心感が得られます。

精神的な安心感が得られると、

「この人なら話してみようかな」

「この人のいうことならやってみようかな」

という感情が生まれ、信頼関係ができ、コミュニケーションがうまくいくようになります。

 

話を聞くときの注意点

話を聞くことで精神的な安心感を与えられ、信頼関係を築くことができますが注意しないといけないことが2つあります。

  • 最後まで話を聞くこと
  • 相手の話を否定しないこと

この2つができていないと、逆に信頼を失うことにつながってしますので、注意が必要です。

意識的に行うようにしましょう。

 

最後まで話を聞くこと

ただ、話を聞くだけでなくて、

相手が話したいことを最後まで聞くことが重要です。

 

最後まで話を聞いてもらえないと、

相手は途中で話をさえぎられて、話を聞いてもらえなかったと感じてしまいます。

そのため、精神的な安全の欲求が満たされなくなってしまいます。

精神的な安全の欲求を満たすためにも最後まで話を聞く必要があります。

 

もう一つ、良い点があります。

それは、

相手がこちらの意見を聞く余裕ができる

ということです。

 

相手の意見を聞き入れるためには、ある程度の心の余裕が必要です。

 

最後まで話を聞くことで、相手はすべて思いを吐き出すことができます。

さらに、精神的な安心感が得られるため、心に余裕が生まれます。

そのため、こちらの意見を聞き入れるための準備が整います。

 

こちらの意見を聞き入れる準備が整うことで、

セラピストとして患者さんに行ってほしいこと や 注意してほしいこと

を伝えやすくなります。

治療もよりスムーズに進むようになります。

 

ほとんどの人が途中で話をさえぎってしまうことが多いです。

はじめは、自分が話すことを我慢し、意識的に話をさえぎらないようにしましょう。

※「他に話しておきたいことはないですか」と聞くのもよいでしょう。

 

相手の話を否定しない

もう一つの大事なことは、

相手の話を否定しないことです。

 

自分に置き換えて考えてみましょう。

自分が話したことが毎回、「それは違う」と否定されるとどう感じるでしょうか?

 

第一に気分はよくないですよね。

それに加えて、

「この人に話してもわかってくれない。」、

「どうせ、違うって言われるんだろうなー」

なんて思うと思います。

 

そう、相手の話を否定する人に安心して、話すことができないと感じます。

精神的な安全を満たすことができないため、信頼を得ることができません。

 

さらに、

否定されたことは、相手にとって強く記憶に残りやすいです。

 

人間には、強い感情を伴う出来事が記憶に残りやすいという特性があります。

『情動的記憶』というものです。

 

否定されることは、強い負の感情が伴います。

そのため、

負の記憶として残り続け、悪いイメージが常についてしまいます。

 

逆に

「この人に話すと安心する」と感じると正の記憶として残り、良いイメージで関わっていくことができます。

 

なので、

患者さんの話を否定すると精神的な安全の欲求を満たすことができないことに加え、

負のイメージがつきやすく、信頼関係が更に築きにくくなります。

 

患者さんの話は、絶対に否定せずに、一度受け入れるようにしましょう!

「でも」「だって」といった逆説的な発言は、しないようにしましょう。

「それは、違う」と感じる思いと一度抑えて、「そうなんですね」と受け入れてみましょう。

 

最後に内容を繰り返すと信頼度アップ

さらに、患者さんからの信頼度を上げる方法があります。

それは、話した内容を要約して繰り返すこと

 

話は聞いてくれるけど、この人ほんとに理解しているのかな?と感じることありますよね。

このような時は、話を最後まで聞くことはできているため、負のイメージはないのですが、

完全に安心している状態ではありません。

安心して話をできないので、精神的な安全の欲求を満たせません。

 

この状態を解決するために、

話を要約して繰り返すことが重要になってきます。

 

最後に要約して繰り返すことで、

相手は、『この人は、私の言っていることを理解してくれている』

と感じます。

 

要約した内容が相手の伝えたいことと異なっていても、そこでさらに話すことで、

相手との思いの差を埋めることができます。

そうなった場合でも、『この人は、理解しようとしてくれている』と感じるため、信頼関係が築きやすくなります。

 

また、下記の話し方と親密性を調べる実験によっても話を繰り返すことで親密性が上がるとの結果も出ています。

数人のグループを集め、10分間好きなように話てもらうようした。

半数のグループには、最後の言葉の2-3語を繰り返して相槌を打つように伝えた。

相槌を打つように指示したグループの方が親密さが増したとの結果がでた。

 

つまり、

最後まで話を聞く + 要約して繰り返す

この2つを行うことで、かなり信頼関係を築きやすくなり、コミュニケーションが円滑にすすむようになります。

 

まとめ

患者さんとのコミュニケーションをうまく行うために行うべきことは、2つ

  • 相手の話を聞くこと
  • 要約して繰り返すこと

この2つを意識的に行うことで、相手の精神的な安全の欲求は満たされ、信頼関係を築きやすくなります。

信頼関係を築くことができれば、コミュニケーションも円滑に行えるようになり、

治療においてもスムーズに進むようになります。

 

今回の内容は、明日からでも意識するだけで実践できる内容なので、やってみてください。

今よりも患者さんとのコミュニケーションがうまくいくようになります。

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