足部には骨が多いので複雑で、わかりにくいですよね。
でも、
立っているとき
歩いているとき
人が動くときのほとんどで足だけが地面に付いています。
なので、
足の機能は、動作すべてに影響してくるのです。
そこで足の機能で、重要になってくるのが、
足部のアーチ!
今回は、足部のアーチについてまとめていきしょう!
アーチ構造
足部のアーチは、3つ
- 内側縦アーチ
- 外側縦アーチ
- 横アーチ
内側縦アーチ
いわゆる、
土踏まず。
踵骨ー舟状骨ー楔状骨ー第一中足骨
から成り立ちます。
このアーチが低下すると
偏平足 や 外反母趾 などの
障害につながります。
外側縦アーチ
足部の外側にあるアーチ。
踵骨ー立方骨ー第4・5中足骨
から成り立ちます。
このアーチが低下すると
腓骨筋炎 や Jone’s骨折 などの
障害につながります。
横アーチ
足の内側から外側に向けて横向きにあるアーチ。
横アーチには、部位によって3つに分類されます。
中足部後列 : 舟状骨ー立方骨
中足部前列 : 内側・中間・外側楔状骨ー立方骨(中間楔状骨が頂点)
前足部 : 第1~5中足骨頭(第2中足骨頭が頂点)
この3つによって、横アーチは構成されます。
横アーチが低下すると
外反母趾 などの足趾障害につながります。
この3つのアーチがそれぞれ適切に機能することで、
足部が機能的に働きます。
なので、
アーチを見るうえで、
内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ
がそれぞれ適切に機能してるか見ることが重要です。
このアーチを支えているのが
- 靭帯(静的支持組織)
- 筋肉(動的支持組織)
アーチを構成している筋肉は、
内在筋
外在筋
の2つに分けられます。
内在筋は、
足部内に起始・停止がある筋です。
(例:小趾外転筋、母趾外転筋 など)
外在筋は、
起始部が下腿、停止部が足部にある筋です。
(例:後脛骨筋、前脛骨筋、腓骨筋 など)
アーチが機能的に働くためには、
内在筋と外在筋
の両方が働く必要があります。
内在筋の機能低下により、外在筋が過剰に働き、
アーチが崩れるともいわれています。
そのため、
アーチを機能させるためには、
内在筋・外在筋どちらの機能も上げること重要になってきます。
アーチの機能・役割
では、
アーチの役割とは、なんでしょう?
アーチの大きな役割としては、2つ
- 荷重時の衝撃吸収機能
- 推進力の伝達効率の上昇
足部のアーチは、
荷重時にアーチを低下させ、足部にかかる衝撃を吸収する作用があります。
また、
足部の機能は、
歩行のTstなどで、前方への推進力を生むために重要です。
その推進力を効率的に伝達するために、
足部のアーチを挙上させ、足部の剛性を高める作用もあります。
衝撃吸収と推進力の伝達の機能が働くために
以下のような機能があります。
トラス機構
荷重時における足部の衝撃を緩衝させる作用。
荷重時にかかる距骨への負荷は、
体重の2/3が踵骨部
体重の1/3が前足部
へかかります。
踵骨部と前足部にかかる負荷によって
踵骨が回内し、リスフラン関節が背屈します。
これによって、
適度なアーチの低下がみられ、
足底腱膜が伸張され、衝撃を吸収してくれます。
ウインドラス効果
足部の剛性を高め、推進力の伝達効率の向上する作用に関与します。
踵骨から趾骨に付着する
足底腱膜は、
中足趾関(MTP関節)の背屈にて緊張が増加します。
そのため、
荷重時に中足趾関節(MTP関節)を背屈することで
足底腱膜の緊張が増加し、アーチを挙上させる作用を
ウインドラス効果といいます。
足底腱膜の緊張によってアーチが高くなることで
足部の剛性が高くなるなり、推進力を伝えやすくしています。
さらに
下腿三頭筋は、踵骨に停止し、足底腱膜と組織的に連続性があります。
そのため、下腿三頭筋が収縮することで
足底腱膜も引っ張られ、緊張が高まります。
そのため、
下腿三頭筋が収縮することでも足底腱膜の緊張が高まります。
中足趾関節(MTP関節)の背屈 と 下腿三頭筋の収縮
この2つの作用が合わさることで、
よりウインドラス効果が機能し、
推進力の伝達が効率よく行われます。
ウインドラス効果は、特に
つま先でけりだあし、下腿三頭筋の機能が重要になる
歩行時のTstに重要な機能ですね!
母趾伸展テスト
ウインドラス効果を評価するテスト。
荷重時に他動的に母趾の中足趾関節(MTP関節)を伸展させる。
アーチの挙上がみられる → 正常
アーチの挙上がみられない → ウインドラス効果の低下
midtorsal joint locking mechanism
英語で訳がみただけで、わけわからないですよね。
簡単に説明します。
距骨下関節の内返し、外返しによって足部の剛性が変化する作用のことです。
距骨下関節の外返し → 足部の柔軟性増加
距骨下関節の内返し → 足部の剛性増加
距骨下関節が外返しすることで、
距舟関節、踵立方関節の関節軸が平行になるため、
運動の自由度が増し、足部の柔軟性が高まる。
逆に、
距骨下関節が内返しすることで
距舟関節、踵立方関節の関節軸が交差するような位置関係となり
運動の自由度が減少し、足部の剛性が高まる。
距骨下関節の動きによって、足部の柔軟性・剛性の機能が変化します。
そのため、
距骨下関節外返し → 足部柔軟性増加 → 衝撃吸収に関与
距骨下関節内返し → 足部剛性増加 → 推進力の伝達効率に関与
距骨下関節の動きは、足部のアーチの役割を適切に機能させるために重要ってことですね!
まとめ
今回は、足部のアーチについて。
今回の重要ポイントは、
- 内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つがある。
- アーチの役割は、衝撃吸収 と 推進力の伝達効率の上昇 の2つ。
立っているとき、足部は、唯一地面に付いている部位です。
衝撃吸収がうまく働かないと、膝などに負荷がかかり、2次障害につながる可能性があります。
推進力がうまく伝わらないことで、歩行速度の低下や、前足部の安定性が低下し、転倒の危険性にもつながってきます。
このように考えても、足部のアーチが機能することは、大切ですね!